訪問から帰ってきたスタッフから、面白くて素敵な写真を見せてもらいました。そこには「水をしっかり止めてください。水が流れている時があります。」と書かれた紙。注目するのはその横に、「おたがいさまです」とあることです。違うぺんで書かれていて筆跡が違います。これはAさんが書いたであろうと思われ、本人に聞きましたが、「なんだこれ、知らないなぁ。母さんが書いたんじゃないか」と言います。
Aさんは認知症があります。記憶を保持する事ができなくなってしばらく経ちます。最近は奥さんと口喧嘩をする事がある様子です。認知症のあるご主人との暮らしにはストレスとなる事もあるだろうと想像します。あの張り紙は、奥さんが認知症のご主人が水をきちんと止められるように工夫したものだとわかります。
Aさんとまた張り紙の話をしたスタッフから「書いたかなぁ?」「俺が怒られてばっかりだからな。書きたくもなるさ」
と言ったと聞きました。自分への注意書きに返事を書く😳Aさんらしいユーモア❣️と可笑しくなりました😆Aさんはとてもユニークで優しい方です。直接奥さんに言うと角が立つと考えたのだろうなと思います。
奥さんの日々の暮らしの工夫と、Aさんの奥さんへの気遣いが感じられる張り紙でした。
このことからわかるのは、認知症になっても感情は豊かだということです。記憶がなくなっていること、何となくおかしいなぁと感じていることは日頃の会話からも感じていました。でも、Aさんは悲観するより笑って過ごしています。
認知症になっても、お互いに気遣い合い、どうしたら仲良くやっていけるか考え工夫ができる。笑顔で過ごすAさんご夫婦からそう教えてもらいました。