春の歌でノロウイルスが発生し、利用者、利用者家族、職員に広がっています。初発から次亜塩素酸での消毒や換気、病院受診勧奨を行いましたが広がるのを止められなかった。下痢や嘔吐の症状があり受診した方は皆さん「胃腸炎」の診断。感染性のものではないだろうとも言われて病院でもすぐにノロウイルスとの診断は出ませんでした。症状が出ている人のうち入院した方が検査でノロウイルスとわかったのは初発から2日後。そこからすぐに利用者家族に周知をし注意喚起。そんな中でも症状出る人が増えていきます。年末に申し訳ない気持ちになりましたが、通いの利用をお休みいただく方、訪問を家族にお願いする方など利用の調整を行いました。年内には終息する見込みです。
今回のことがあり、感染症のBCPの見直しが必要だと思いました。しっかり終息してから、振り返りを行って次に繋げる必要があります。ただ、感染拡大防止はもちろんですが、今回気になったのが職員の精神的負担についてです。「私が移したかもしれないと考えて、夜も眠れない」「私が移したらと思うと怖い」という発言がありました。
コロナの時もそうでしたが、目に見えないものが人の暮らしに影響を与えるということは、とても怖いことです。特に、疾患のある高齢者は感染をきっかけに他の病気に繋がり重症化というリスクもあるので、さらに怖い。でも、目に見えないウィルスですよ。「誰が誰に移したか」は憶測でしかなく、そこに注視するのは人間関係を悪化させてしまうため、やめた方がいいと思っています。
大切なのは、この状態になった人の暮らしを元に戻すこと。老夫婦の介護生活。奥さんが認知症。ご主人はめまいや膝腰の痛みがある中介護をしていて、決して楽ではない奥さんとの暮らしを「頑張れるだけ家でみてやりたい」と言われます。今回、ご主人が嘔吐後入院しましたが、1番心配したのは奥さんのことでした。入院先のベッドから春の歌に電話がかかってきて、泣きながら奥さんのことを「よろしくお願いします」と頼まれました。春の歌も人員不足ありますが、このお二人の暮らしを守れないのなら小規模多機能の意味がないと強く思いました。
どんなに大変でも、家族が「家で介護をしたい」という想いでいるのに、介護の仕事をする私達が力になれないなんておかしな事です。このご夫婦も、受診のたびに医療関係者から「自宅介護は無理ではないか」「施設を勧めないのはなぜか」と言われます。ご主人の介護を無理だと思う人、施設に入れた方がご主人のためと思う人がいるということです。それも間違ってはいないのかもしれませんが、私はご主人が「家で見てやりたい」と思う気持ちも大切にしたい。それも間違っていないと思う。
この認知症の奥さんは、発言にとても深みがあります。凛とした考え方が垣間見える時があるんです。何もわからなくなった人ではありません。入院中のご主人からの電話に柔和な表情をされ、確かに繋がっているのだなと感じます。その繋がりや、誰が誰を大切に想うのか。そこに注視することが大切なことだとご夫婦から教えてもらっています。
今年もいろんなことがありました。たくさんの学びと、たくさんの心の繋がりが得られた一年でした😊春の歌に関わってくださっている方へ感謝を申し上げます。暮らしを大切に、また来年も精進してまいります🫡
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